効率的・効果的なコンテンツマーケティングの実現のために ―「コンテンツマーケティング・ピラミッド」の紹介―


 
現在、SNS、オウンドメディア、セミナーや書籍などマーケティングに使うことのできるツール・メディアは多様化している。
そんな中、重要となるのは、ユーザーにとって有益な情報を提供することで自社製品の消費につなげる「コンテンツマーケティング」という考え方だ。
今回はコンテンツマーケティングを効率的に実行するためのヒントとなる「コンテンツマーケティング・ピラミッド」についてContent Marketing Instituteの掲載記事「The Content Marketing Pyramid: Create More With Less」をもとに解説する。

「コンテンツマーケティング・ピラミッド」とは

「コンテンツマーケティング・ピラミッド」とは、複数のメディアをピラミッド型の表にあてはめることで、各メディアをバランスよく使い、コンテンツマーケティングの効果を最大化する戦略ツールである。
※コンテンツマーケティングソリューションを提供するCurata社のCEOで、CMI(Content Marketing Institute)の後援者でもあるPawan Deshpande氏が2010年に提唱。

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このピラミッドは、コンテンツを作るのに労力がかからず、更新頻度の高いメディアから順に積み上げたもので、下から、キュレーションコンテンツ、Twitter・Facebook・ウェブサイトのコンテンツ、インフォグラフィック・ウェビナー(オンラインセミナー)・プレゼンテーション、電子書籍・ホワイトペーパー、書籍となっている。

下層部分は、労力をあまり必要としないため、更新頻度が高く、マーケティング計画の大部分を占めると同時にマーケティングの基礎となる部分である。
中間部分は、基礎の部分で出した情報を集め、整理した上で構築されるコンテンツで、下層に比べると多少労力はかかるものの、短いスパンでの更新が可能なコンテンツ。
ピラミッドの頂点には、コストやある程度の期間が必要なメディアである書籍が配置されている。

このピラミッドは、まさに食物連鎖のような構造と考えることができ、下層のメディアで発信したコンテンツを使うことで、少しずつ上の階層のメディア向けのコンテンツを作り上げることが可能になるのだ。

例えば、
ウェブマーケティングについての情報をTwitterでツイート・RTする。
⇒ツイートした情報をもとに、「メールマーケティング」「サイト解析」「広告」といったカテゴリーごとにFacebookやブログの記事を書く。
⇒Facebookやブログの記事に書いた内容を充実させ、セミナーを行なう。
⇒セミナーの内容をもとに電子書籍やホワイトペーパーをまとめる。
⇒電子書籍やホワイトペーパーの内容をさらにパワーアップさせ、書籍として販売する。
などが考えられる。

もちろん、逆の考え方で、書籍にしたものから、セミナーやブログ、SNSなどへ派生させていくこともできる。

一見当たり前のように思える考え方だが、実際の現場で、これらの施策全てを実現しようとすると、特定のメディアでの露出に偏ってしまったり、各メディア間の繋がりを見失ってしまったりすることもあるだろう。
どのメディアからどのメディアにつなげていくのか、ということをピラミッド型の表にあてはめることで、可視化することができるようになっている。

「コンテンツマーケティング・ピラミッド」が効果的なわけ

Pawan Deshpande氏は「コンテンツマーケティング・ピラミッド」が効果的な理由を「コンテンツマーケティング・ピラミッドがいくつかのコンテンツマーケティングのベストプラクティスを本質的に含んでいるからだ」と述べている。

ベストプラクティスの例として、記事内では「繰り返し」「コンシューマビリティ」「コンテンツの浸透」が挙げられている。

・繰り返し(Repetition)
ご存知の通り、マーケティングでは一つのメッセージを繰り返し、異なるメディアでも一貫して伝えていくことが必要である。
「コンテンツマーケティング・ピラミッド」を構築し、上層と下層のメディア間の繋がりを意識することで、メッセージも一貫したものになりやすいのだ。

・使いやすさ(Consumability)
セミナーが好きな人もいれば、本を読むことが好きな人もいるため、どれか一つのメディアのみでコンテンツを展開してしまうと、メッセージを伝えることのできるユーザー層は限られてしまう。「コンテンツマーケティング・ピラミッド」を構築することで、複数のメディアを意識することができ、ユーザーの好みにとらわれることなく、幅広いユーザー層にメッセージを伝えることができる。

・コンテンツの浸透(Content saturation)
様々なメディアに対してコンテンツを提供し続けることで、メッセージのコアを新しく作り直すことなく、多数のユーザーにメッセージを届けることができるのだ。

「コンテンツマーケティング・ピラミッド」の構築

Pawan Deshpande氏は、自社の現状に沿って「コンテンツマーケティング・ピラミッド」を構築することを勧めている。

氏によると、「コンテンツマーケティング・ピラミッド」を構築し実行していく上で、重要なポイントがあると言う。

・責任者を配置すること(Have an owner):マーケティングのプロセスにたくさんの人が関わる可能性があるものの、ピラミッドをタイムリーに実行するには、一人の個人責任者を作ることが重要だ。
「コンテンツマーケティングの指揮者-コンテンツの戦略、開発、マネジメントの全てを監督する者 をもつことが最優先である」とCrowe Horwathの副所長であるChristine Elliottは言う。
「そういう人がいないと、コンテンツマーケティングは初期の段階で崩壊するか、最悪スタートさせることもできない」Curata社の調査では、43%の企業しかコンテンツマーケティング幹部を有していないことが分かっている。

・事前に計画を立てること。ただしやり過ぎないこと(Plan ahead, but not too much):「コンテンツマーケティング・ピラミッド」は戦略的ツールであり、キャンペーンやテーマの維持に十分な資源を集めるために計画を立てることが必要である。
「戦略的な記事トピックは、年ごとや月ごとといった具合に大まかに計画されていることが必要だ」と、インテルの国際マーケティング統合戦略担当者のPam Didner氏は言う。
同時に、戦略的に実行するときには、素早さと柔軟さを認めるべきである。彼女は「戦略的計画のためには、振り返りと週ごとまたは月ごとを基本にした計画を練るべきだ」とアドバイスしている。

・意図的にコンテンツの一部を見せないようにすること(Gate content selectively):ピラミッド戦略を維持するには、ランディングページでプレミアムコンテンツを見せないようにして、ユーザーの興味を引き出す必要があるかもしれない。
「価値に基づいてコンテンツを見せたり見せないようにしたりしなさい」と、LinkedInのコンテンツマーケティングシニアマネージャーは薦める。大まかに言うと、ピラミッドの高い部分になればなるほど、コンテンツの価値が高くなるので、「見せない」ようにするべきなのだ。また、彼は「消費を促進するためにも、小さな派生コンテンツは見せなさい。そして、そういったコンテンツのかけらから、価値の高いコンテンツにリンクさせなさい。」と続ける。

コンテンツマーケティングを検討中または実行中の方は、自社がマーケティングを行なう上で利用しているメディアを一覧化し、高頻度で更新し続けることができるメディアはどれか、労力はかかるものの時間をかければ実現可能なメディアはどれか、といったことを考えながら「コンテンツマーケティング・ピラミッド」を構築してみてはどうだろうか?

このシンプルな戦略ツールを活用し、自社のコンテンツマーケティングにおけるメディア間の役割やつながりを整理することで、運用を効率化し効果を向上させること、そして、コンテンツマーケティングにおいて重要となる長期間に渡って継続的に運用していくための方針・方向性を明確にすることができるだろう。

※参照・引用元
このブログ記事は、Pawan Deshpande氏より以下の記事からの引用の許諾を得た上で、スペースシップが執筆を行いました。
”The Content Marketing Pyramid: Create More With Less”. Content Marketing Institute. published August 24, 2014 (accessed 2014/10/16)
http://contentmarketinginstitute.com/2014/08/content-marketing-pyramid-more-with-less/

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