レスポンシブデザインでマルチデバイス時代のメールマーケティングを支援
【エクスペリアンジャパン様インタビュー】


エクスぺリアンジャパン様インタビュー

意思決定を支援するディシジョンアナリティクスサービス、企業向けの信用情報を提供するビジネスインフォメーションサービス、業界最高水準のテクノロジーで企業の目的達成を支援するマーケティングサービスにより、大手企業を中心に5,000件以上のサービス提供実績を有するエクスペリアンジャパン。

「デバイスの多様化」がビジネスを展開する上で重要な課題となっている中、満を持して4月14日に「レスポンシブメールデザインサービス」をローンチ。今回は、この新サービスを中心にローンチの背景や市場の動向、今後の展望について、執行役員の中澤伸也様、マーケティング部の吉澤和之様、マーケティングアウトソーシング部の金子亜美様にお話をうかがった(以下、敬称略)。

デバイスの多様化とますます複雑になるユーザー行動

椎葉:本日は、エクスペリアンジャパンの新サービス「レスポンシブメールデザインサービス」について詳細をうかがいたいと思っていますが、まずはこのサービスをローンチするに至った背景をお聞かせいただけますか?

中澤:はい。私たちエクスペリアンジャパンが掲げている今期のテーマは「マルチデバイス」と「クロスチャネル」の2つです。マーケットは現在、スマートフォンの普及によるデバイスの多様化、DSP広告、ソーシャル、メール、スマホアプリなどの隆盛による媒体の複雑化という状況に置かれています。

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エクスペリアンジャパン
執行役員 マーケティング部
中澤 伸也様

さまざまなデバイスをどのようにコントロールしていくのか、チャネルを横断して如何にカスタマーやユーザーとコミュニケーションをとっていくのかがとても重要な課題になってきています。今回の「レスポンシブメールデザインサービス」はテーマの1つである「マルチデバイス」という戦略に基づいたサービスになります。

椎葉:「マルチデバイス」というのは、ここ数年のユーザーの行動変化を考えると当然出てくる重要なテーマですね。つい数年前までみんなフィーチャーフォンを使っていたのに、次々にスマートフォンに乗り換えていますし、タブレット端末も登場して、一人のユーザーがPC、スマートフォン、タブレットと複数のデバイスを使うようになってきました。また、Gmailをそれぞれのデバイスからチェックするというようなことも一般的になってきていますよね。

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エクスペリアンジャパン
マーケティングアウトソーシング部
金子 亜美様

金子:そうですね。私たちのお客様のある保険会社で調査したところ、Yahoo!メールを利用しているユーザーでPCからInternet Explorerでメールを閲覧している方はもちろんいて全体の8~11%ほどでしたが、Android端末やiPhoneからの閲覧が着実に増えてきているという結果が出てきました。またChromeやFirefoxよりもAndroid端末やiPhoneからの利用の方が多くなってきています。保険という商材なので40代ユーザーがボリュームゾーンなのですが、そのくらいの年齢層でもスマートフォンからWebメールを見ているユーザーが増えているということですね。

また、ソフトバンクモバイルは、2013年11月末からクラウドでメールを閲覧できる「S!メール(MMS)どこでもアクセス」サービスを開始して、ソフトバンクユーザーはPCやタブレット端末からキャリアアドレス宛メールを見られるようになりました。少し遅れて12月半ばにはNTTドコモも「ドコモメール」サービスを開始して、ドコモユーザーについても同じような環境が整いました。デバイスとユーザーの関係はますます複雑になってきています。

スマートフォンユーザーは世界的に増えているわけですが、日本の場合、海外とは少し事情が異なっていて、さらに複雑です。フィーチャーフォンが隆盛していた影響でスマートフォンでも従来どおりの画像添付型のメール受信形式を採用している端末が227機種と、画像参照型の43機種に対して圧倒的に多いのです(2013年2月時点)。

このように未だに画像添付型メールしか見られない端末が多かったり、スマートフォンのモニタサイズの横幅や解像度が違っていたりの掛け合わせで、それぞれに細かな対応を求められるのが日本のマーケットの現状です。

椎葉:そのようなデバイスの多様化、複雑化に対応するのが今回ローンチされた「レスポンシブメールデザインサービス」というわけですね。具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?

さまざまなデバイスに最適なメールを届ける2つのメニュー

金子:「レスポンシブメール」というのは、CSS3のメディアクエリ(Media Queries)という技術を活用して、1つのHTMLメールソースで複数のデバイスに適したデザイン・コンテンツを表示させる仕組みです。表示するデバイス別に、クリエイティブを自動で切り替えることができるため、受信者がどのデバイスで閲覧しても、各ユーザーに最適な見た目で訴求することが可能になります。また、私たちはいままで培ってきたメールのノウハウを活かして、CSSが利かないメーラーや端末でも、サイズ最適化することを強みとしております。

「レスポンシブメールデザインサービス」のメニューとしては、「デバイスフィット」と「デバイスフィット カスタム」の2つがあり、どちらもPCアドレス(キャリアドメインでないアドレス)で受け取るメールを対象としたサービスとなっています。

まず、「デバイスフィット」からご説明します。iPhoneでGmailを受け取ると画面の横幅に合わせてリサイズされて表示されますが、Android端末の場合は横スクロールバーが出てしまい非常に読みづらいという現状があります。

この横スクロールバーを出さずに、PCメールのデザインをベースに変形させていくのが「デバイスフィット」というメニューで、ほぼすべてのスマートフォンに対応可能です。また、デバイスによって写真に対して文字を回り込みにしたり、複数の画像の大きさをそれぞれ変えたりすることも可能ですので「商品画像は小さくしたくない」というようなニーズにも応えられます。

これに対して、スマートフォン用にフルカスタムでデザインを制作するのが「デバイスフィット カスタム」です。例えば、電話注文が多いという企業様であれば、スマートフォンで閲覧した場合のみ「電話する」というボタンを表示させアクションを促進するということが可能です。「デバイスフィット カスタム」では、動線デザインやボタン・画像をどこに表示させる、表示させないといったことまで最適なデザインを実現するメニューです。

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マルチデバイス戦略を推進する3ステップ

椎葉:「マルチデバイス」や「レスポンシブ」というキーワードは確かによく耳にするようになりましたが、そうは言ってもメールのデザインにまで適用できている企業はまだまだ少ないと思います。そのような状況の中で、エクスペリアンジャパンとしては「レスポンシブメールデザインサービス」をどのように広めていくのでしょうか?

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エクスペリアンジャパン
マーケティング部
吉澤 和之様

吉澤:マルチデバイスというテーマに対しては3つのステップで進めていくことにしています。

1つ目のステップでは、弊社の「開封エンゲージメントサービス」を利用していただき、そこから得られたデータを分析し、ユーザーのデバイス状況を可視化、顕在化させ、マルチデバイス対応の重要性を認識していただきます。

2つ目のステップは、可視化・顕在化したデバイス状況に対して、どういうパターンでデザインを作成するのか、スマホファーストのメールにした方がよいのか、送り分けをした方がよいのか、レスポンシブメールを実施した方がよいのかというような検討を進め、弊社のメール配信システムであるMailPublisherや「デバイスフィット」などをご利用いただいて送り分けができる状態を実現します。

3つ目のステップで「デバイスフィット カスタム」をご利用いただき、PCのHTMLメールに関しては送り分けを意識することなく、どんなデバイスに対しても最適化されたクリエイティブを届けることを実現します。今期はこの3つのステップを強く意識して“マルチデバイス”戦略を推進していきます。

「レスポンシブメールデザインサービス」はエクスペリアンジャパンがこれまでメール制作で蓄積してきた膨大なノウハウの集大成と言えると思います。先ほど金子からもあったように、細かな対応が求められる日本において私たちのノウハウは強い武器であり、競合に対して圧倒的に優位に戦えると自負しています。

おっしゃるとおり 「マルチデバイス」や「レスポンシブ」という言葉は流通していても、十分な理解がされていないと思いますので、まずはこんな検証があって、こんなサービスがあるということを多くのマーケターに伝え、啓蒙し、市場を活性化していくという動きになると思います。

マルチデバイス対応の前に必要なデータ管理・運用の見直し

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スペースシップ代表 椎葉 宏

椎葉:「レスポンシブメールデザインサービス」は、マルチデバイスという状況にクリエイティブで対応するソリューションですが、確かに、その前に各企業がメールアドレスを含むデータをどのように管理、運用していくかを再検討する必要がありますね。

中澤:そのとおりです。クリエイティブのサービスだけではダメで、マルチデバイスに対応するためのメールの運用を総合的に提案できないとクライアントにはご理解いただけないと思います。

椎葉:スマートフォンの登場前には 、メール配信に関しては、PCとモバイルとをメールアドレスのドメインによってはっきりと2つに分けて対応することができました。しかし、スマートフォンが普及してきたことでそのような状況が変わってしまい複雑になってきている中、どのようにこれまでに収集したメールアドレスという資産を活かしていくのかという話ができないといけないですね。

中澤:まったく同感です。私は以前ベンダーではなくクライアント側におりましたが、当時、同様の問題に直面していました。

ですので、どういう風にマルチデバイスに対応するべきかというコンサルテーションが先にあって、それを実現するためにソリューションとしてレスポンシブデザインメールだったりとか、マルチデバイスに対しての送り分けだったりがある。そこまでのコンサルティング支援、総合支援ができると、本当に「マルチデバイスに強いエクスペリアンジャパン」として認知していただけると思います。

デバイス混沌期のいま、エクスペリアンジャパンがやるべきこと

椎葉:先日、あるクライアントのデータ分析をしたところ、フィーチャーフォンよりもスマートフォンの方がかなりクリック率や購入率が高いという結果が出ました。その理由は2つあると考えています。一つは、フィーチャーフォンよりもスマートフォンの方がコンテンツを魅力的に見せるクリエイティブが実現できることが高反応率につながっているということ。もう一つは、スマートフォンのアドレスが把握できているユーザーは、結局アクティブなユーザーで、単にリストがフレッシュだということです(笑)。

その結果、フィーチャーフォンのアドレスリストがスマートフォンリストよりもかなり多いにも関わらず、売上はスマートフォンの方が上回るという現象が起こっていて、売上の高いスマートフォンにもっと注力していこうということになりました。アドレス数ではなく効果をきちんと見てリソースを分配しないといけないという動きになってきています。

あるタイミングでスマートフォンに移行していないフィーチャーフォンのリストは、切り捨てなければならないでしょうし、そのような状況はこの2~3年で訪れるように思います。いまはその移行期間で、もっとも混沌とした状態なのかなと思っています。ここを抜けると、全リストに対してPCとスマートフォンとの両方に対応できるレスポンシブデザインのメールを送ることができる未来がやってくる。そこまでをどうもっていくのかというジャーニーを描いてあげないと、クライアントから見たらコストや工数ばかり増えて面倒なだけになってしまいますね。

中澤:そのためには現状把握がとても大切で、結局アドレスリストだけを見ていてもダメですよね。実際のアクセスなど、状況を確認していくことがとても大切なわけです。ただジャーニーを描くにあたって注意しなければいけないのは、クライアントのコンディションは一定ではないので、マルチデバイス対応の支援もスタート時点の支援と6ヶ月後の支援の姿は変わってくるということです。

ですからPDCAを回しながら支援の方法やサービスを見直していかないといけない。開封エンゲージメントサービスなどを使って状況の変化を見ながら長期的にお手伝いしないとマルチデバイス対応は難しいと思います。

椎葉:そういう観点からも、「レスポンシブメールデザインサービス」はいまの段階では、いろんな会社に対して薄く広くというよりは、いくつかの会社としっかりと組んでやっていく方がクライアント、エクスペリアンジャパンともに良さそうということになりますか?

中澤:そうですね。ただ、マルチデバイスという課題は規模に関わらずどの企業も等しく困っているはずです。先進企業以外はこのようなテクノロジーを利用できないでいると、企業間の差がどんどん開いていってしまいます。

私たちは、ある程度の規模を持った先進的なお客様との個別のプロジェクトでテクノロジーをブラッシュアップし、その次のステージでは、汎用的なサービスをローコストでより多くの企業に提供できる状態を実現しなければいけないと考えていますが、スピード感を持って進めていかないと、多くの企業はこの混沌としたフェイズを抜け出すことができなくなってしまいます。

ビジネスとして裾野が広がらないというのはもちろんですが、テクノロジーをつくる企業の責任として、私たちのサービスを利用したクライアントのビジネスが大きく成長していく世界を実現したいと思っています。

椎葉:それは頼もしいですね。「レスポンシブメールデザインサービス」とエクスペリアンジャパンの躍進、楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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エクスペリアンジャパン株式会社
【事業内容】
・マーケティングソリューションの提供
・金融機関向け与信戦略管理/不正対策ソリューションの提供
・海外企業調査レポート、海外市場情報の提供
・上記についてのコンサルティングサービスの提供、導入支援、業務分析


インタビューアー:椎葉 宏、執筆:荒巻 仁、写真撮影:北村 健

 

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