Sprocket流、ロイヤルカスタマーの育成方法とは?【Sprocket様インタビュー】


Sprocket様インタビュー

株式会社Sprocketは、「アタマとココロを刺激する、顧客育成プラットフォーム Sprocket」を基盤に、ユーザーの知識や関心度を見える化し施策の最適化を行うことで、見込顧客を優良顧客に成長させる手助けを行っている。

今回のインタビューでは、サービス提供の背景と会社設立の経緯、顧客育成プラットフォームSprocketの顧客育成方法や事例について、株式会社Sprocket代表取締役 深田 浩嗣様(以下、敬称略)に、スペースシップ代表の椎葉がお話をうかがった。

ゲーミフィケーションは、「顧客育成」のための手法の一つ

椎葉:数年前、「ゲーミフィケーション」をテーマにしたセミナーに参加させていただいたときは、株式会社ゆめみの新規事業として、まさにこれから展開しようというところだったかと思います。今は、株式会社Sprocketとしてサービスを提供されていますね。これまでの経緯を聞かせてください。

株式会社Sprocket代表取締役 深田 浩嗣様
株式会社Sprocket代表取締役
深田 浩嗣様

深田:ソーシャルメディアとスマートフォンが存在感を示し始めた2010年頃、「クーポンを使えば消費者は集まる」とされてきたこれまでのマーケティング手法はうまくいかなくなるのではと感じました。自分からサービスをもっと使いたくなるような、弊社風に言うと “ココロを刺激する”アプローチがおもしろいのではないかと考え、それをうまくテクノロジーと融合させることにチャレンジしようと考えたのがサービススタートのきっかけでした。

当初は、株式会社ゆめみの新規事業として開始しましたが、2014年4月に、新設分割によって株式会社Sprocketを設立しました。われわれが目指しているのは、クライアント企業とそのお客さまとの深いエンゲージメントを築くことです。ゲーミフィケーションは顧客育成の一つの手法とし、自らをデジタルマーケティングの会社と定義しています。

「ロイヤルティの段階分け」と「育成シナリオ作り」で深いエンゲージメント構築を支援

椎葉:事業内容について教えていただけますか。

深田:われわれがやっていることは、大きく言うと「顧客育成」です。ユーザーをサイト内でどう活性化させるかということをテーマとしています。

まず、「ロイヤルティの段階分け」をしてユーザーの育成状況を可視化します。

ロイヤルティの段階分けと、育成イメージ
ロイヤルティの段階分けと、育成イメージ

考えれば当たり前のことですが、はじめてサイトに来た人に取るコミュニケーションと、何度も使っていてロイヤルティの高い人に取るコミュニケーションは、当然ながら違うはずです。でも実際にはそれほど区別がなかったり、そもそも区別ができなかったりしました。Sprocketでは、ユーザーの行動をトラッキングするエンジンを活用することで、優良顧客(ロイヤルカスタマー)と見込顧客といったロイヤルティの段階分けをし、それぞれの段階にあった反応をサイトやアプリ内で返せるようになっています。

次に、企業やブランドについて知ってもらうプロセスを「育成」と考え、「育成シナリオ作り」を行います。これまでは育成というとき、購買金額や購買回数で計測することが多かったかと思います。しかし、購買回数や金額というのは結果であって原因ではありません。われわれは、育成とは学習だと考え、ブランド理解や商品の価値の理解を学習と置き換えて、学習を促す仕掛けを作っています。また、学習したことに対しての理解度を表示したり、サイト来訪への感謝をメッセージとして送ったりすることで承認感を作り出し、離脱させないようにする仕掛けを取り入れることも重視しています。

椎葉:それぞれの顧客のロイヤルティの段階にあった反応というのは、どのように判定し、何を返すのですか?

Sprocketの3つの機能「ギア」「分析機能」「ルールエンジン」
Sprocketの3つの機能「ギア」「分析機能」「ルールエンジン」

深田:Sprocketの3つの機能「ギア」「分析機能」「ルールエンジン」を使用します。ルールエンジンは、「どんな行動を取ったユーザーに何を返すのか」をあらかじめ定義したルールを用いて、行動データを判定し、リアルタイムでユーザーに反応を返します。そこで返すのがギアというもので、たとえば点数やアイテムなど、顧客育成を促すパーツを指します。そうしたギアを出したときのユーザーの反応を分析機能で分析し、カスタマージャーニーや育成度合を測ります。これらの一連の流れを回しながら仮説検証し、より効果が出るよう調整していきます。

「理解度表示」、「アイテム・コレクション」などの仕掛けでユーザーを活性化

椎葉:Sprocketを導入して効果のあった例を教えてください。

深田:アサヒビール様の事例をご紹介します。もともとサイトの来訪頻度を増やすという課題をお持ちでしたので、ブランド理解度を表示して可視化するという仕掛けを導入しました。このコンテンツを見るとブランド理解度は10点など、サイト内のコンテンツそれぞれの点数を決め、あなたのブランド理解度は「2302点です」というようにMYページ内に表示されるようにしました。

アサヒビール様のMYページ
アサヒビール様のMYページ

点数が上がれば上がるほどランクも上がり、ランクが上がると自分のコレクションルームにアサヒビールの商品が並びます。そのコレクションが増えてくると、「かのか」とか「大五郎」、「ジャックダニエル」、「ヒューガルデン」といった商品が出てきます。

椎葉:誰もが知っている商品ですね。

深田:はい。しかし、この4つがアサヒビール様から販売されていることは、実はほとんどの方がご存知ないんです。ユーザーの方が「これもアサヒなんだ!」と気付き、アタマの中で商品とアサヒビールというブランドが繋がるようになる。これがユーザーの発見や好奇心という体験になります。これらの仕掛けにより、Sprocket導入前と導入後のMYページにおける数値の比較で、MYページPV数、MYページUU数、1来訪あたりの平均行動数、月間訪問回数などが大幅に増えました。

椎葉:ユーザーの「次どんな商品が出るんだろう」、「もっと知りたい」という気持ちにうまくアプローチできた好例ですね。

サイト来訪頻度が上がっても、ブランドを理解してもらえないと意味がない

深田:もともと弊社は、「インセンティブはマネタリーなものではなくてもユーザーは動く」という思想でSprocketを提供しているのですが、クライアントによっては「それは難しいだろう」と言われることもあるので、その場合は直接的なインセンティブになるようなギアを使います。

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スペースシップ代表 椎葉 宏

椎葉:これまで、ポイントで貯めた500円分のクーポンを2000円、3000円の商品を買う際に使ってもらう、という手法を使ってきたクライアントにとっては、マネタリーなインセンティブを使用すればユーザーが確実に動くという実感がありますからね。一方で、ポイントで動くユーザーというのは結局ポイントでしか動かないユーザーになりがちなこともあると思います。本当によいお客さまなのか?という疑問は残りますね。

深田:はい。ですので育成という観点で、きちんと物事を理解してから買っているのかを見るように、クライアントにご提案することが多いです。

また、ロイヤルカスタマー向けのインセンティブについては、特別感を感じられるようなものがよい、というのもわかってきました。アサヒビール様でいうと、工場見学などのプレミアムなものです。

椎葉:商品を安く買えるなどのインセンティブではなく、ここでしか手に入らない特別なものを提供し、そのインセンティブもブランド理解に繋がっているのですね。

少し気になったのですが、Sprocketの導入前からすでに優良顧客の方はいると思います。しかし、だからと言って、優良顧客がサイトに来ても最初からバッジが揃っているわけではないですよね?そのギャップはどのように埋めるのでしょうか?

深田:ケースバイケースですね。ただスタートしたときは全員フラットに0からとするケースが多いです。フラットで始めても、結局よくサイトに来るユーザーというのはそのブランドが好きなユーザーなので、インセンティブのあるなしに関わらず、見込顧客よりもサイトを見てくれます。弊社では、購買を評価する場合もありますが、購買の手前の行動を見ることが多いです。

そしてチューニングを行い、サイトをよく訪問している人たちが少しずつ上のランクになったり、その人たちが何か得をしてそうだなというのを見せると、同じくらいのロイヤルティの人がそれを見て、レベルアップしようとする傾向があります。

育成シナリオ作りは、今後クライアント自身ができるようにしていきたい

椎葉:今後考えている機能追加や、先々の方向性について聞かせてください。

深田:徐々にですが、育成シナリオ作成やカスタマージャーニーの部分は、クライアントの担当者が行うケースも出てくると思います。弊社のプラットフォーム上でそれらをすべてできるようにしていこうと思っています。そのために、分析画面の機能を充実させていきたいですね。また、たとえば、ソーシャルでシェアしてくれた人にポイントを付与するなどの機能も充実させたいと考えています。

椎葉:今後さらに機能を充実させ、ユーザーとのエンゲージメント構築においてさらに飛躍されるのを楽しみにしています!本日はどうもありがとうございました。

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株式会社Sprocket

【事業内容】
・顧客育成プラットフォーム「Sprocket」の開発・販売


インタビューアー:椎葉 宏、執筆:岩崎 芽依、撮影:北村 健

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