「レシピブログ」ってどんなメディア? 最新活用事例とともにご紹介
【アイランド様インタビュー】


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“お取り寄せ”の口コミ満載の「おとりよせネット」、日本最大級のお料理ブログポータル「レシピブログ」、朝型生活を提案する「朝時間.jp」。これら個性的な3つのライフスタイルメディアメディアを運営するアイランド株式会社。月間ユニークユーザは計300万人を超え、企業のマーケティング活動にも大いに活用されている。
今回のインタビューでは、レシピブログを中心に、メディア立ち上げの経緯や活用事例、新たな取り組みなどについて、アイランドの代表取締役社長 粟飯原 理咲様に、スペースシップ代表の椎葉がお話をおうかがいした(以下、敬称略)。

「やってみたい!」「おもしろいかも」がきっかけ

椎葉:今日はレシピブログを中心にお話をお聞きしようと思っていますが、アイランドさんでは、レシピブログ以外にも、おとりよせネット、朝時間.jpと、女性向けの生活メディアを展開されていますね。これらのメディアを立ち上げるきっかけはどのようなものだったのですか?

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アイランド株式会社
代表取締役 粟飯原 理咲様

粟飯原: 2003年に“お取り寄せ”をテーマにした、おとりよせネットを作りたいと思ったところから始まりました。そのときは「やってみたい!」という気持ちが強くて、どんなビジネスにするかというところまでは考えていなかったですね。2005年にレシピブログを、2006年に朝時間.jpを立ち上げましたが、もともとは、「お料理ブログがつまっているサイトがいいなぁ」とか「朝がテーマのウェブサイトってなかなかないから、あったらおもしろいかな」というような思いつきからはじめました。

椎葉:まず始めてみようというのが先で、そのあと運営していく中で、現在のようなビジネスモデルになってきたということですね。

粟飯原:そうですね。おとりよせネットは、最初からショップさんの商品を取り上げさせていただくにあたって、必ずユーザーが試食をし、その感想コメントをショップさんにもフィードバックするし、サイトにも載せるという形で運営をしてきました。その試食をする審査料をショップさんからいただく、というモデルから始まっています。

全国のショップさんは、明太子にしてもチーズケーキにしても、自分たちの商品に自信があるし、もちろん最高に美味しいと思っていらっしゃるので、なぜ売れないのかわからなくて来られることも多いです。そこで、都市生活をしている利用者など、実際にお取り寄せをよく活用している人に食べてもらうと、「パッケージがちょっと……」とか「量が多いですね」などの声が出てきます。

椎葉:味が問題なのではなく、量とか外見とかの問題だったりするわけですね。

粟飯原:そうなんです。それに、わざわざお取り寄せをするからには何か他と比べて特色がないとダメなのに、あまり特色がないというようなこともありました。そういう率直な意見をフィードバックしているので、メディアでありながら、マーケティングツールとしての価値もショップさんに提供できていると思っています。

ユニークな立ち位置のメディア「レシピブログ」

粟飯原:レシピブログには、お料理ブログをやっている方15,000人に登録いただいていますが、おとりよせネットと同様に、メディアとしての役割もあるし、商品をブロガーさんたちに一斉に配って率直な感想を寄せていただくマーケティングリサーチツールとしての側面もあると思っています。

椎葉:レシピブログについて、マーケティングを行う企業側からの視点で整理してみると、まずレシピブログ自体に対して、タイアップ媒体としてお金を払って広告を載せるPaid Media(買うメディア)だと考えることができます。また、ブロガーさんが書かれるお料理ブログでの記事になったり、それがSNSを通して広がったりということに注目すると、ソーシャルメディア、つまりEarned Media(信頼や評判を得るメディア)の側面もありますよね。一方で、ブロガーさんのつくったレシピを自社サイトに載せたりできるサービスもあるので、Owned Media(所有するメディア)向けのコンテンツ開発にも活用できます。そういう意味で「トリプルメディア」のすべての側面があって、非常にユニークな立ち位置だなと感じています。

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横山隆治著『トリプルメディアマーケティング』(インプレスジャパン 2010年)より

粟飯原:メディアを運営している会社というのは、特にショッピングモールの場合などは、外部リンクが禁止されていて自由がきかないことがよくあるのですが、我々としては、コンテンツはどこにあってもいいよね、という考え方で運営しています。おとりよせネットは口コミメディアであることもあり、サイト内にカートは無く、買うならそれぞれのショップで買ってくださいね、というスタンスです。そして、口コミ情報もショップさんのサイトにどんどん載せてください、というような開かれた形で運営しています。

一般的には、サービス名があって、サイトのイメージがあって、「これがおとりよせネットです」「これがレシピブログです」というようになるのだと思いますが、レシピブログの場合は、レシピブログというサイトだけでなく、ブロガーさんのお料理ブログやその読者さんとの繋がりも含めて、ネットワーク全体がレシピブログなのだと思います。

実際に、クライアントさんなどに説明する際にも、レシピブログというサイトの周りに15,000のブログがあり、それぞれのブロガーさんがFacebookやTwitterで情報を発信している、というのがレシピブログです、という説明をよくしています。

椎葉:これまで、自分で料理を作ろうと思ったときに、何回もレシピブログのサイトを見たことがありますが、直接レシピブログに行くわけではなくて、検索したりして誰かのブログを見ていたらレシピブログのバナーが張ってあり、そこからたどり着くことが多かったように思います。レシピブログへの流入経路としては、やはりブロガーさんたちの料理ブログから、というのが多いですか?

粟飯原:そうですね、それもありますし、検索から直接も多いです。また、今はアプリからというのも伸びていますね。

レシピブログが得意なのは新しい楽しみ方の提案

椎葉:レシピブログの活用事例についてお伺いしたいのですが、どのような使い方が効果的なのでしょうか?

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スペースシップ 代表 椎葉 宏

粟飯原:お料理ブログをされている方というのは、日々新しいネタを探しながら料理のことを深く楽しんでいる方なので、特にクライアントに効果を感じていただけるのは、新商品のプロモーションだったり、これまでにない使い方提案やライフスタイル提案が入ってきたときだったりしますね。

最近の例ですと、この春、カゴメさんがトマトをいろいろな料理にかけて楽しむ食べ方を「かけトマ」として提案したいということで、レシピブログでトマトをかけたレシピのアイデアを大募集したものがあります。

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椎葉:そこまで限定してしまうわけですね。

粟飯原:はい。まさに「かけトマ」のレシピコンテストで、こういうことをやると、お料理ブロガーさんたちがとてもチャレンジングにから揚げにトマトを刻んで乗せたよとか、オイルドレッシングかけてみたとか、オムレツにかけてみたらすごく新しくなったとか、たくさん寄せてくれました。それら集まったものの中から良いアイデアをコンテスト結果として発表し、その後プレスリリースなどでも活用して、「かけトマ」というのはこのような新たな可能性がありますよ、と具体的に示すことができ、依頼主のカゴメ様にもご満足いただきました。

また、インターネット上での盛り上がりがNAVERまとめなどにまとめられるなどもしたので、PVが非常に伸びました。やはり、新しい食べ方提案というのは、レシピブログと非常に相性がいいですね。

椎葉:ブロガーさんも新しいものだと燃えるというか、工夫のし甲斐があるのでしょうね。

粟飯原:企業と一緒になって新しい食べ方を作っているというのが楽しいのだと思います。食べるラー油にしても、塩麹にしても、ブログ発信だと言われるのはそういうところなのでしょうね。

サントリーさんともご一緒させていただいていて、一昨年からの大きな取り組みとして「フルーツブランデー」というのをやっています。ブランデーにフルーツを1日~3日つけることで、とても美味しい果実酒ができるんですよ。

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椎葉:そんなにすぐにできるんですね。

粟飯原:すごくおすすめです。ブランデーという主に男性向けだった飲物を、女性にも広めていったという事例です。フルーツブランデーはたった一日でできるので、時間を掛けて梅酒をつけていたような方からすればとても気軽なものですし、梅酒にはなかなか手が出ないという方でも、ちょっとやってみようかなと思ってもらえたのでしょうか。初回のコンテストでは、新しいスタイルということでコンテストをやったら、レシピ投稿数が1,000件を超え、レシピブログ史上最高の記録になりました。

反響が大きかったので、出版社さんから「フルーツブランデーの本を出しましょう」という話にもなって、レシピブログのブロガーさんたちのフルーツブランデー本が出たりとか、新聞の紙面にも取り上げられたりしました。そんなこともあり、コンテストを始めた月にブランデーの売上が20年ぶりに前年対比115%にもなって、POSにも返ってきたよ、と言っていただきました。

椎葉:そこまできっちりと売上にリンクするのはすごいですね。

粟飯原:これを機に、梅酒だったりウイスキーだったり、いろんな商材をレシピブログに出していただくようになりました。このフルーツブランデーというのも、新しい飲み方だし、お料理をしている人だからこそ考え付くレシピがあったりするわけですよね。そういうところはレシピブログのすごく得意とするところで、お料理を楽しんでいる方々の中でも半歩先、ちょっと先の提案ができるというのがいいところだと思っています。なので、スパイスやチーズなど、素材として使えるものをどのような方向にアレンジするか、というような企画を行うと、企業側が思ってもいないような提案が出てくる可能性が高いです。

椎葉:それは企業の方も楽しみでしょうね。

スタジオとマガジンによって広がる可能性

椎葉:ところで、可動式のキッチンまであるスタジオも運営されていますが、これはアイランドさんにとってどのようなものなのでしょうか?

粟飯原:我々の会社として「場を創造し続ける」というビジョンがあり、その場のリアルなものとしてスタジオを設けようと一昨年スタートしました。そもそもはずっとウェブサイトを運営していく中で、なかなかユーザーさんと直接会える機会がないな、もっと直接ユーザーさんとお会いしたいな、と思ったのがきっかけですね。

それで、キッチン付きのスタジオを、清水の舞台から飛び降りたつもりで思い切って用意しました。結果的には大変良かったですね。

クライアントからのオンラインとオフラインを絡めたプロモーションをしたいという要望が多くあります。おとりよせネットの場合には食の専門家の方々、レシピブログだとお料理のブログでとても人気の方など、インフルエンサーの方々がたくさんいらっしゃるので、自社の新商品を実際に使用してもらいたいとか、自社商品のファンになっていただくきっかけを作りたいというニーズがあります。実際に、スタジオを運営し始めてから、ユーザーとクライアントとのコラボイベントみたいなサービスメニューの引き合いが多くなりましたね。

椎葉:企業側、特にメーカーの方というのはなかなかユーザーさんと会えないということもありますしね。アイランドのスタッフの方もユーザーさんと会えたりして良い刺激になっているでしょうね。

粟飯原:そうなんですよ。ユーザーさんの反応を生でうかがうことを通して、さまざまな情報が手に入るのは大きいですね。インターネットでユーザー参加型の投稿企画やコンテストを数多く実施してきたのですが、最近では、そのような参加型企画が始まる前にイベントを開催し、イベントの参加者の方が先に記事を上げることによって、今まで以上にいろいろな方に気付いていただいて、よりウェブ上の企画が立体化されて盛り上がる、というようになってきていますね。

去年から「レシピブログマガジン」という雑誌も扶桑社さんから出しているので、例えば、まずスタジオでイベントを行い、次にレシピブログでコンテストを実施して、最後にそれを雑誌コンテンツにする、とか、さらにそのマガジンを店頭での販促に活用する、というような流れも作っていけるようになりました。

椎葉:企業のマーケティング担当者がオムニチャネルやO2Oというキーワードでいろいろ考えているときに、アイランドさんから今のような提案を受けると「まさにやりたいのはそれです!」となりそうですね(笑)。スペースシップにも食品メーカーのクライアントがいるので、今後ぜひご一緒できればと思います。本日はどうもありがとうございました。

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アイランド株式会社
【事業内容】
・WEBを活用したコミュニティメディアのデザイン
・企業-生活者間のWEBコミュニケーション設計
・女性向けポータルサイトの運営


インタビューアー:椎葉 宏、執筆:菊池 紀美乃、写真撮影:北村 健

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