スマートフォンの急速な普及とマーケティング戦略への反映の必要性


スマートフォンの急速な普及とマーケティング戦略への反映の必要性

ここ数年、スマートフォンの利用が急速に拡大し、マーケティングに関する意思決定に大きな影響を与えるようになった。今回は、いくつかの組織から発表されている最近の調査データから現状を把握しつつ、マーケティング戦略への反映について考察してみたい。

フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフト状況

「スマコン(SmartDevice Contents Report)vol.06」予備調査結果
(株式会社ビデオリサーチインタラクティブ 2014/2調査 )

http://www.videoi.co.jp/release/20140225.html

スマートフォン、携帯電話/PHSの所有率 時系列推移

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上記調査によれば、15~69歳のPCインターネットユーザーでのスマートフォンの個人所有率は、前回調査(2013年8月)時点から4.8ポイント増加し、2年前(2012年2月)の2倍となる過半数の54.0%に達した。前回はじめてスマートフォンに抜かれた携帯電話/PHS(フィーチャーフォン)の個人所有率は41.9%であり、スマートフォン所有率との差は12.1ポイントに広がっている。

2014年2月段階で過半数を超えるユーザーがスマートフォンを所有しており、スマートフォンがもはや「一部の人が使う先進的なデバイス」ではなく「誰もが持っている一般的なデバイス」へと変わりつつあることが読み取れる。

また、スマートフォンの急速な普及に伴って、旧来の携帯電話/PHS(フィーチャーフォン)の所有率は低下を続けており、2年前(2012年2月)は7割弱あったものが、2014年同月においては4割程度となっている。

企業と生活者とのモバイルコミュニケーションにおけるタッチポイントは、フィーチャーフォンからスマートフォンにシフトしつつあり、企業としては、フィーチャーフォン対応にどれだけのリソースを投入するか、いつまで続けるかを検討すべき時期になってきている。

スマートフォンの普及状況は年代ごとに大きく異なる

これだけ急速に普及してきたスマートフォンだが、普及状況は年代ごとに大きく異なっていることが次の調査からわかる。

「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」<速報>
(総務省)

http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/h25mediariyou_1sokuhou.pdf

スマートフォン・フィーチャーフォン・タブレットの利用率(年代別)

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  • スマートフォンの利用率は全体で52.8%と約20ポイント増え、過半数が利用(平成24年は32.0%)。
  • 最も利用している20代は87.9%(平成24年は68.4%)。最も利用率が伸びた40代をはじめ、30代、10代において前年に比べ利用率が約30ポイント増加。
  • 一方、60代の利用率は8.7%に留まっており、シニアの利用が進んでいない様子が窺える。
  • タブレットの利用率については、全体で15.4%(平成24年は8.1%)。30代から50代が前年に比べ約10ポイント増加するなど、普及しつつある。

20代のスマートフォン普及率は9割近くに達する一方で、60代は1割未満に留まっており、若年層ほどスマートフォン利用率が高く、逆にシニア層ほどフィーチャーフォン利用率が高くなっている。

ユーザーの年齢層によってこれだけスマートフォン利用率に違いがあるため、各企業がスマートフォンの活用を考えるにあたってまず行うべきことは、自社の顧客層の属性を正確に把握することだ。

各企業の顧客の年齢分布によって、スマートフォン関連施策へのリソース配分や実施タイミングは違ってくるだろう。アクセスログから自社ユーザーのデバイス利用状況を把握するのはもちろん、世の中全体のデバイス利用状況を先読みし、後手に回ることの無いように対策を進めたい。

また、今後、シニア層がスマートフォンにシフトしてくるのかどうか、またそのタイミングやスピードはどうなるのか、引き続き最新動向を追っていく必要がある。

スマートフォンからのアクセスがPCからのアクセスを上回る企業も続々登場

・オンラインショッピング/動画サイトはスマホへシフト~ニールセン インターネット利用のPCからスマホへのシフト状況を発表~
http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/03/Newsrelease20140326.html

楽天市場およびAmazon 利用者数トレンド

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この調査からは、スマートフォンからのサービス利用者が増えているだけでなく、購買行動も活性化してきていることが見て取れる。

楽天市場では2013年11月から、Amazonでは2014年2月から、スマートフォンからの利用者数が、すでにPCからの利用者数を超えてきており、大手ECサイトのインターネット利用の中心がPCからスマートフォンに移行してきている状況がわかる。

もともとモバイル端末は「24時間30cm以内」のメディアと言われてきたが、フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトにより、画面の見やすさと操作性の良さが向上したことで、さらに強力なメディアになったと言える。

スマートフォンを中心にマーケティング戦略の見直しを

インターネットマーケティングを取り巻く環境の変化はもともと激しいものだが、スマートフォンの急速な普及と、それによる生活者のインターネット活用スタイルの変化は、ここ数年でもっともダイナミックなものだと言える。

一方で、企業側はその変化に対応しきれていないように見える。もちろん、中にはいち早くスマートフォンを中心に事業戦略を組み直し、戦略レベルで変化に対応している企業もあるだろう。しかし、たいていは「スマートフォン対応している」という場合でも、「スマートフォンからアクセスしてもウェブサイトが見やすく表示できている」などというクリエイティブレベルの改善に留まっていることが多い。

企業と生活者の接点の変化を意識して、どちらにとっても心地よい関係性を築けるようマーケティング戦略全体を見直すことが、今後も継続的に企業価値を高めていくための重要な要素となるだろう。

その他参考になるレポート

・「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」第8回分析結果
(株式会社博報堂DYホールディングス 2013/11調査)

http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/15354
スマートフォン保有率2013/11:55.2%

「平成26年3月期 第3四半期決算説明会資料」
(株式会社スタートトゥデイ 2014/1/31発表)

http://www.starttoday.jp/ir20130131-jp.pdf
ZOZOTOWNなどのモール事業における2013年10~12月のデバイス別出荷比率のスマートフォンの割合が5割を突破し、PCを逆転

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