優れたモバイルアプリで、生活をより楽しく、より生産的なものにしたい
【タイガースパイク様インタビュー】


tigerspike様インタビュー

2003年9月にオーストラリアのシドニーで設立されたタイガースパイク。モバイルに関する様々な領域(戦略立案、マーケティング、UI/UXデザイン、APP設計・開発、ホスティング)をサポートし、今日では日本オフィスを含め世界に8拠点を展開、200名のスタッフを有している。10年間で60以上のアワードを獲得しており、注目を集めている企業である。

今回は、タイガースパイクの実績や今後の日本での展開について、タイガースパイクのVP of Business Development, Japanである根岸 慶様にスペースシップ代表の椎葉がお話をおうかがいした(以下、敬称略)。

8拠点目としての日本進出

椎葉:タイガースパイクさんのことは根岸さんから聞いてはじめて知ったのですが、どのような会社なのでしょうか?

根岸:タイガースパイクは企業向けにアプリ開発をしている会社で、すでに海外に7拠点ありまして日本は8拠点目になります。もともとシドニーで創業し、次がニューヨーク&ロンドン、サンフランシスコ、ドバイ、シンガポール、メルボルンという順番で展開してきました。ドバイはロンドンにレポートする形で仕事をしています。その次の8拠点目が東京ですね。英語圏以外では今回が初めてです。
世界に8拠点を展開
椎葉:日本オフィスはフロント機能を担って開発は海外の拠点で行うということになりますか?それとも開発も日本でやっていく方針なのでしょうか?

根岸:開発も日本でやります。実は、タイガースパイクという会社は、自分たちのプラットフォームを持っていて、モバイルアプリで使うコンポーネントを集めてあります。そのプラットフォームとクライアント側のバックエンドをつなげて動かすような仕組みになっています。各拠点でそのプラットフォームは使えますが、入社してすぐに使えるようなものではないので、当面はいまタイガースパイクにいるスタッフに日本に来てもらうことになります。オフィスに3人の経験者がいたら、新しく1人を採用して徐々に覚えてもらうというように、少しずつできる人を増やしていくようなことを考えています。

業務用アプリケーションにも楽しさを

椎葉:根岸さん自身がタイガースパイクに加わろうと思ったのはどうしてですか?また、それと関係してくると思いますが、根岸さんから見たときのタイガースパイクの魅力はどのような部分なのでしょう?

mr_negishi
タイガースパイク
VP of Business Development, Japan
根岸 慶様

根岸:まず、私自身、これまでソリューションベースで課題は何かというところから入って自社で開発するところでずっと働いてきているんですよ。タイガースパイクもまさにそのタイプの会社なので、経験が活かせることは大きいですね。

また、この会社のコンセプトがとても好きで非常に共感しています。モバイルアプリケーションの世界というのは、気持ちいいというか楽しいじゃないですか。そういった楽しさが、ことビジネスに置き換わった瞬間になくなってしまいがちなところを、もっと人が楽しく幸せになりつつ、しかも生産的になれるようなものを作ってこうというコンセプトでやっています。

大人気のゲームや占いなどを作っている企業は日本にもたくさんありますよね。でも、在庫管理や会員管理といったバックエンドの既存システムとつなげつつBtoCを盛り上げて行くようなところまで全部できますというようなところはなかなか日本にはいないように思います。そこを自分たちタイガースパイクがやっていくという信念を持っています。結果的に日本でタイガースパイクの実績が増えてきて、皆さんに認めてもらえるようになれば、自分たちの会社が伸びるだけではなく、日本の仕事も「もっと楽しくやっていこうよ」というような感じが出てくるのではないか、そういう世の中になってくればいいなと思っています。

BtoCから従業員向け、投資家向けまで広がるアプリ活用

椎葉:グローバルで様々な企業にアプリを提供してきている中で、何か面白い事例を紹介してもらえますか?

根岸:たとえば、小売流通でメジャーなWoolworthsさん。南半球にしかない小売業なのですが、グローバルで見たら5兆円規模の企業です。イオンさんと同規模くらいと思ってください。こちらのお仕事をやらせていただいていて、写真やバーコードをスマートフォンで読み込んで買えるような仕組みを数年前から一緒にやっています。
バス停にあるWoolworthsのショップで買い物をする顧客
実際の例ですが、バス停や地下鉄の通路にパネルがあり、そこでWoolworthsの商品を選べるようになっています。平面的なショップですね。ここで商品を選んだ時点で決済は完了して、購入した商品は直接家に届けてもらうこともできれば、最寄りの店舗で袋詰めしておいてもらっておいてピックアップだけするということもできます。また、お店に入ってからモバイルを通じて商品を購入し、レジに行かずにそのまま自分のカバンに入れて帰ることもできます。まさに今流行りのオムニチャネルを実現している最先端の事例だと思います。このアプリはオーストラリアの全人口の10%がダウンロードしています。このようにBtoCアプリ開発を通じて何年もお付き合いをさせていただいていると、業務系のアプリ開発の話も出てきます。今では、在庫管理や管理者向けBIツールなどのiOSアプリの開発も弊社でやらせていただいています。

次にWestFieldさんの事例をご紹介します。ここもはじめはBtoCの部分のプロジェクトでしたが、清掃スタッフ用のアプリも作りました。清掃のときにスタッフにタブレットを持ってもらい、どこの掃除が終わっているかが確かめられるようなものです。こういったものであれば、バックエンドとつなげなくていいので、1ヶ月程度で作れます。ここで非常に良かったのが、従業員満足度が格段に上がったことです。

椎葉:いいですね。仕事がしやすくなったからですか?

根岸:2つ理由はあると思います。1つ目は、このようなタブレットというものを持てることそのものに対するプラスイメージです。タブレットを使ってスマートに、スタイリッシュに仕事をしているということでモチベーションが上がりました。2つ目としては、業務効率が30%も上がったことです。導入前は、清掃が終わったかどうかを紙ベースで管理していて、現場に行って確認しないといけなかったんです。わざわざ現場に行って、紙を見たら終わっていて無駄足だったということがありました。お店も広いから大変ですよ。そのような無駄がなくなりました。また、品質管理部門が世界各国のWestfieldの清掃品質管理を一元管理しているのですが、その管理にかかる稼働を5日から2日に減らすことができました。

スペースシップ代表 椎葉 宏
スペースシップ代表 椎葉 宏

椎葉:BtoCのアプリだと自らがユーザーとして使ってみることもできるのですが、従業員用のアプリだとそうも行かないので、このあたりの話は非常に興味深いですね。他にもありますか?

根岸:ありますよ。金融系の事例としては、世界的な銀行として有名なStandard Charteredさんがあります。Standard Charteredさんでは、従業員向けのセルフアセスメントをモバイルでやっています。また、110年くらい続いているシンガポールの保険会社Great Easternさんでは、従業員向けに新入社員の紹介や簡単なアンケート、eラーニングなどをやっています。スキルアップやロイヤリティの向上に役立っているそうです。

あとは、ガバメント関係ですが、農業のワーカーさんがフィールドワークしながら活用するものがあります。地理情報やインターネット上の情報と政府が持っている情報を連携させて、天候や作物の生産状況を提供しています。農業のIT化を実現した事例ですね。

また、SHELLさんではIRでアプリを活用しています。単にアニュアルレポートをPDFで配るのではなく、常に動的に変化する見やすいページを通して投資家向けに情報を発信しています。

椎葉:常にアップデートされるIR情報というのは面白いですね。今のような事例の話を聞いていると、従業員向けや投資家向けのデバイスとしてタブレットやスマートフォンを活用するということが広がっているのがわかりますね。

根岸:椎葉さんや私のようにPCが目の前にある時間が長い場合はともかく、PCに慣れていなかったり日常的にモバイル端末を使っていたりする人には、タブレットやスマートフォンのアプリの方が受け入れてもらいやすいです。金融関係の仕事で飛び回っているような人も、タブレットベースで提案するような機会が多い場合、アプリの方がその場ですぐに仕事が完結できてメリットがありますよね。

私は少し前までベトナムの会社にいまして、そのときにも考えていたのですが、業務系のアプリケーションならPCという感じだったのが、去年あたりからスマホ・タブレット系のアプリという切り口が増えてきました。それはワールドワイドでも同じで、タイガースパイクもBtoCから始まってBtoBや業務系アプリの案件が増加傾向にあります。

バックエンドもフロントエンドも気持ちよく

インタビュー風景
インタビュー風景

椎葉:そのモバイルアプリ開発の市場の中でタイガースパイクの狙っているポジションについて聞かせてください。

根岸:先ほど少し触れましたが、日本だとバックエンドのシステムを作っているのはSIerさんが多いのですが、彼らはバックエンドシステムには強い一方でフロントエンドは弱い。かといって、ゲームを作っているような会社だとバックエンドからいろいろな情報を引っ張ってくることは得意ではないですよね。クリエイティブ力はすごく高いけれども。タイガースパイクはその両方に強い、バックエンドもフロントエンドも気持ちよく、っていうことをやっています。

椎葉:確かにそのような企業については日本ではあまり聞きませんよね。

根岸:日本にも何社かありますが、ただその業界で強くても、結局は一般の人が知らないレベルなんですよ。SIerさんだと、アプリを作るのに1年くらいかかってしまって、その間にiPhoneのバージョン変わって動かなくなったりすることもあるようです。タイガースパイクだとスピード感をもってやりましょう、というのを重要視しています。

まずはシングルファンクションでも構わないので、出してみてユーザの反応を見て変えていく。エンドユーザの声を聞いていると、スピードを求めているのがわかります。あと重視しているのは、体制・人ですね。どうしても日本人は外国人がたくさんいると引いてしまうじゃないですか。やっぱり外国人が来て話すと身構えますよね。だから、フロントに日本人を持っていくということをどれだけできるかが重要になってきますね。

椎葉:ノウハウとかツールはグローバルで共有しつつも、日本ではやはり日本人をフロントに立てていくということですよね。もうすでに具体的に提案をし始めているんですか?

根岸:はい、もう提案はいろいろとしていますし、それなりに評価もいただいています。ただ、私の予想ではありますが、ドメスティックな会社になると、なかなか難しいのではないかと思っています。なので、最初の標的は、グローバルを標榜している企業ですね。あとは商社さんも考えています。まずはこのあたりから攻めていこうかと。

椎葉:次にインタビューをさせていただく際には日本での事例について聞けそうですね。これからのタイガースパイクさんの展開、楽しみにしています。今日はありがとうございました。

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tigerspike Japan
【事業内容】
モバイルに関する様々な領域をサポート(戦略立案、マーケティング、UI/UXデザイン、APP設計・開発、ホスティング)


インタビューアー:椎葉 宏、執筆:菊池 紀美乃、写真撮影:北村 健

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